三百59 脳障害を生きる人びと

・“閉じ込め症候群” ”植物状態” ”遷延性意識障害” ”脳死移植” ”高次脳機能障害” 「医療する側の論理」 「患者の論理」などについて書かれている。そして「脳障害を生きる”人びと”」のコトバ/思いと同じコトを お手伝いしているひとから ボクは 受け取っていた。

・「どうして身体が不自由だと学校に行けないの。どうして身体の不自由な人のことを『障害者』と呼ぶの。まるで『邪魔』だと言ってるみたいで、失礼だよ」。 ・「身体に不自由のない人たちを中心に構成されている社会では、私のように何もできない人間は、本当は迷惑なのかもしれない」。つらい毎日に不満を訴えても状況は何も変わらない。「いま、私が泣いたところで、自分や家族の心を暗くするだけだ」。 

・「ここはどこ?」手術後、最初にこの言葉が出てくるまで約1か月かかった。その後も、しゃべろうと思うのだがしゃべれない。「おはよう」と言おうとするのだが、汗をびっしょりかきながら「おは・・・・・」までしか出ない。「おはよう」と言えるまでさらに1か月かかったという。 ・リハビリは、最初は絵を見ることから始めた。犬や猫、コップなどが描かれた絵を使って、その名前を言うのである。「記憶を引っ張り出す。少しづつ思い出すんですが、でも、ものすごく疲れる」。 意識としては理解しているのに、それが言葉に出来ない。 

脳に障害があっても、周囲のみんなが少しづつ協力してくれさえすれば、地域の中で生きていくことが出来る人も多い。 患者の論理、そして人間の論理で 社会を見つめ直すことなのではないだろうか。

・脳神経のトレーニングを繰り返す。 Pt介助で足を上げる動作を行う。それを自分の目で見ることで、その動作を視覚で脳にフィードバックする。動作を指示するPtの声で、聴覚によるフィードバックも行う。Ptが足の皮膚を叩いて刺激したり、筋肉に対する抵抗をかけたりする。そうした様々な刺激を一度に与えることで、一つの動作を脳の回路に覚えさせるのである。 ・何が出来ないかを本人が 自覚出来るようにし、それに対応して社会生活を送れるスキルを 身につけてもらう、そのために一人ひとりについて 生活していくうえでのニーズ/対策を 個別に検討しなくてはならない。「人の中に入って対応する力、社会的スキル、自信を再度身につけていくプログラム、それらをトータルにアプローチするのが 高次脳機能障害のリハビリ。