松永正訓著「発達障害に生まれて」抜き書き
トイレ掃除 「来る日も来る日も公園のトイレ掃除をしている、この子の人生はこれで良かったのだろうか」「こんな作業はつまらないだろう」「こんなくり返しは苦痛だろう」「こんな単純なことしか出来ないなんて不憫だ」
カフェでの接客 臨機応変な対応は出来なかったが、接客用語やマニュアルに従って丁寧に接客していた。単純な繰り返し作業よりも接客の方が面白いのではないかと考えたが、子供は 客が来ない時、ただ立っているのが苦痛、何もしないと言うのが苦手なのだ。
紙切り 「カッティング、上手になった、きれいに切れた」。 カッターで紙を切る作業は、単純だが常に手を動かしているので、そちらの方が「良い」と言う事なのだ。
単純作業より接客の方が良いと考えるのは、健常者のおごり。子供が満足しているのであれば、単純作業であっても 働く喜びに繋がっている。
「高齢者のお手伝いをする知的障害のある人たちの支援」に携わる僕への ”戒め”のコトバとして。
もう一つ、 日頃 彼らと接していての印象と少し異なるコトとして
この子は嘘をついたり 駆け引きをしたり 人の顔色を見て計算をしたりはしない。