39. 死にゆく人の心に寄り添う

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死にゆく人の心に寄り添う(医療と宗教の間のケア) 玉置妙憂 

死が近いとき、人がものを食べなくなるのも また事実です。食べることは 生きていく上での大前提であるため、私たちは「食べられない」状態を 非常事態と思い、とても心配します。しかし、死にゆく人にはもう、食べ物は必要ありません。食べないのが普通なのですが、多くの人はそのことを知りません。

・・・ずっと自宅で看ていたのに、最後の最後に、死にゆく人の身に起こった変化に驚き、救急車を呼んでしまう家族がいます。救急車で運ばれれば延命措置がとられますが、すでに着地態勢に入っている人が、それで元気になって 退院できるわけではありません。

・・・剃髪した(僧侶)姿で訪問看護に行くと、末期の患者さんの話す内容が変わった、と言うことがありました。それまでは体のことだけだったのが、心の内を語るようになったのです。人生の着地態勢に入ったとき、治療の及ばない地点に至ったとき、人は医療とは別のものを求める。いわば、生きていくための医療と死後の宗教の間にある、死にゆく魂のケアを求めるのです。 

死の3か月前頃から 死の直前までに起こる体の症状/状態が克明に、 このコトに関わる家族の心情 気持ちの持ちようが書かれている。 在宅で看取りの覚悟の一助に。