三百61 吉田 晋悟さん

【三百35 吉田 晋悟さん】でも 転載させて頂きました吉田さんのブログから 原文のまま転載させて頂きます。ご了解を頂いておりませんが、、。  

 吉田 晋悟    9月23日 世界アルツハイマーデーの21日、万博記念公園太陽の塔もオレンジ色にライトアップされていました。散歩の途上、塔のすぐ傍で認知症のことをあれこれと考えていると、一瞬ですが、太陽の塔認知症の抱える諸問題を共有してくれているように感じました。

認知症の早期発見を町ぐるみで」というテレビ報道に考えさせられることが多く、特に、認知症の早期発見について思い巡らせていました。認知症の人が告知を受けた初期の頃に絶望したり、引きこもったりされた体験談を数多く聞かせていただいていますので、早期発見してもまだ確かな治療が確立していない現在は、早期発見の重要性をあまり先走りさせないほうがよいのではないかとの思いが心に湧き上がっていました。 また、認知症予防で早期発見の大切さが叫ばれているのは症状に現れる以前の認知症と言えるかどうかというようなMCI(軽度認知障害)の段階であって、他人が認知症状を気づく段階ではもはやそれは認知症なので、認知症を教えることよりもその人とともに幸せに生きて行くことに力点を置くまちづくりを目指す方が良いのではないか、という思いもありました。 高齢化社会で、誰もが認知症になる可能性があると覚悟して、心備えをしておき、認知症と分かった時に、認知症とともに自分らしく生きる新たな人生設計をすることは大切だと思います。私たち一人一人が自分のこととして考えておく問題で、認知症と気づいた地域の人は時にはその人に直接ではなく、その人を愛している家族などに認知症の事実を教えてあげるなどの必要もあるかも知れませんが、それ以上にその認知症の人とともに幸せに生きることを考えることが同じ社会に暮らす者の責任のように思います。 ただ、私に関しては、MCIの段階が過ぎて、認知症として相当進んだ段階でも、独り暮らしですので気づいた時点で直接教えていただくととてもありがたいです。

近頃は、自分で認知症でないかと疑って、確かめる作業をします。先週は高価な補聴器が行方不明でした。一週間後、あまり使っていない部屋のソファの隙間という思いがけない所で見つかりました。その場所に補聴器が行くまでの私の行動を考えると、老人会で披露する歌をスマホで練習をしていて、補聴器をしていると声が割れるのではずして横に置いたことを思い出しました。そこで、認知症ではなく老人性の物忘れだと自己診断したのですが、生活が不規則で朝食を食べたかどうか思い出せないこともあり、やはり他人の目が必要だと感じて地域の親しい人にはおかしいと気付いたら言ってくださいと頼んでいます。私は認知症になる心備えができていますので、直接教えてもらっても大丈夫です。教えてもらうと、それが息子に付き添ってもらって専門医の診察を受けるきっかけになります。

妻に即座に認知症の診断を告知したのも前もって、重要なことは知らせ合った上で、重荷を共有していくという意思疎通があったからでした。 このように、「認知症の早期発見を町ぐるみで」は、本人の尊厳と関わる重要な問題を抱えていますので、慎重にさまざまな社会的な合意形成をしながら進めて行って欲しい大切な問題だと私は思いました。