二百78 レカネマブ

アルツハイマー病の治療 抗体医薬品 レカネマブ

2022年11月末、エーザイが抗体医薬品「レカネマブ」の治験で有効性を示す結果が出した。

アルツハイマー病の治療では、ドネペジルなど数種類の薬が使われているが、どれも症状の悪化を少し遅らせるだけで、根本的な治療薬(疾患修飾薬)ではない。 アルツハイマー病の原因の一つの「アミロイドβ」というたんぱく質が、脳に凝集/蓄積することで毒性を持ち、神経細胞を死滅させるために認知機能が低下すると考えられている。 レカネマブはこの凝集したアミロイドβにくっついて蓄積を防ぎ、脳からの排出を助けることで認知機能の悪化の抑制につながる。

 

認知症関連6学会は、「副作用」「治療の対象」などを主な課題として挙げており、過去に開発されたアミロイドβに対する抗体医薬品は、脳内に水や血が溜まる脳浮腫や脳出血などの副作用が生じうることから承認に至ってない。レカネマブでは約20%の人にこうした副作用が起こると報告されている。

投薬対象は「早期アルツハイマー病」患者に限定される。またアミロイドβが溜まるのを防ぐことはできるが、病気が進行して神経の細胞死や脳の萎縮がある段階では、その神経を再生することはできない。

レカネマブが承認されると決まっているわけではなく、薬価も決まっていないが、抗体医薬品は価格が高いと言われている。もし承認された場合は薬を患者にどう届けていくかという議論が必要です。

百24 でも 同じエーザイによる【新薬「アデュカヌマブ」が アルツハイマー認知症の治療薬として新薬申請された】と日記しましたが、今だ承認には至っていない。一日でも早く有効薬が欲しい!!