69. 旅路 ある夫婦の物語

f:id:wakasan1214:20201012140640j:plain NHK BS世界のドキュメンタリー「旅路 ある夫婦の物語」

20年前、妻が突然の病で首から下が麻痺(多発性硬化症)、以来 夫は介護に専念。妻は夫に申し訳ないという思いから日々死にたいとさえ感じていた。そんな中、夫はキャンピングカーを改造し、昔よく行ったギリシャの島へ妻と旅に出る。原題:The Journey(スイス 2018年)

多発性硬化症”:中枢神経(脳・脊髄・視神経)の病気。炎症によって軸鞘(ミエリン)が壊れ、中の軸索がむき出しになる。軸索を通し送られる信号が伝わりにくくなったり、異常な信号を伝えたりする。そのため、視力障害、運動障害、感覚障害、認知症、排尿障害などの神経症状が現れる。

妻:自殺ほう助機関と契約した もう無理と思ったら(夫に)さよならと言えるようににね。 

娘:母さんがいつ自殺するかと心配だった?。 

夫:先のことを考えるのは意味ない事だよ 自殺を予想するなんて 私が受け入れなくてはならなかったのは病気と生きるお母さんの意思だ 病気が進行して我慢できなくなったら自分の力で 薬物が入った引き出しを開け 死を選ぶ その意思を私は受け入れたんだ 結局引き出しは開けられることはなかった。 最大の難題は2人の ”生きる”意思 に私が責任を感じていることだ 私は2人分考え 2人分の用事をこなす 2人で食べていくことはなんでもないが いちばん力を試されるのは 生きていく意思を見い出し それを維持していくことだ 彼女の分もね どちらが先に逝くかは誰にも分からないから その時が来るまで考える必要はない 私が先に死ぬとして何を準備する? 逆も同じことだよ なりゆきを見守るしかない 50年間相手が死ぬときのことを考えていたら くだらない人生になっただろう。

”死との向き合い方” ドキュメント中のやり取りのホンの一部を切り取ったので分かりにくいと思います。