43. 成年後見制度

「親が認知症気味と言ったら、銀行が本人の預金口座を凍結した」。銀行は本人の意思確認ができないと知った時点で(本人の財産を守るため)口座を凍結する。その対策として銀行は「成年後見制度の利用を促す」。

成年後見制度 認知症 知的障害 精神障害などのために判断能力が十分でない人(本人)に、本人の権利を守り法律的に支援する人(法人を含む)を付ける制度。法定後見と任意後見がある。

➀ 法定後見 ・家庭裁判所が選任した後見人が財産管理や福祉契約を代行する。 ・本人の判断能力によって「補助(判断能力が不十分)人」「保佐(判断能力が著しく不十分)人」「後見(ほとんど判断できない)人」が選任される。 ・受任した後見人の8割は第三者、親族等は約2割。 ・後見人の都合で途中辞任は出来ず、本人と生涯を伴走する。 ・報酬は家庭裁判所が決定する。 ・成年後見事務:本人の財産/生活の状況を確認し、財産目録/収支予定表を家庭裁判所に提出する。少なくとも年1回は家庭裁判所に報告する。

➁ 任意後見 ・十分な判断能力が有る本人が、将来、判断能力が衰えた時に備えて、あらかじめ自らが選んだ任意後見人と任意後見契約を結び、公正証書を結んでおく。 ・本人が「この人に頼みたい」という人であれば資格は問われない。 ・判断能力が低下した後に、本人等からの申し立てにより家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任し、支援が開始される。 ・報酬は本人と任意後見人候補者とで「お互いに合意した額」。

③ 日常生活自立支援事業 本人が契約内容を理解し、契約の当事者となることが出来る人が使えるサービス。判断能力の不十分な人に対し、地域で自立した生活が送れるよう福祉サービスの利用援助を行うこと、社会福祉協議会等と本人の「契約」による。(以上は解説本からの抜き書き)

私見成年後見は、どのような後見人が付くかで、資格ではなくその人の人間性により、その後の本人の生活が大きく左右される。親族が選任されることもあるが”相続人”全員の合意が求められる。また後見事務も煩雑であり、支援の意味も有り”監督人”(費用発生)が選任されることがある。任意後見の利用者は、子どもの居ない夫婦や身寄りをあてにしない高齢者であり、本人の判断能力が失われた時点で、誰からも任意後見監督人の申し立てが成されなかった場合、事前準備しても支援が開始されないことがあるのでは?。日常生活自立支援事業も中途半端な感が有り、何にせよ何らかの不安が残る。介護サービスとの同時利用のこともあり、これらに精通している社会福祉協議会に相談することにします。