二百46 パン屋 タルマーリー

パンを創る天然菌 :麹菌(日本の国菌)→米麹、乳酸菌→菩提モト、酢酸菌、天然酵母(イースト菌)。。場が整い、「菌」が育てば、食べものは「発酵」へと向かう。それと同じで、「小商い」や「職人」が育てば、経済も「発酵」へと向かう。人も菌も作物も、生命が豊かに育まれ、潜在能力が十二分に発揮される経済のかたち………田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」

「天然菌」だけの力でパンを創る がんばる田舎のパン屋さん。なのに  マルクス資本論が、日本酒の酒づくり、小商い、宮大工、伝統工芸品、引き算の文化が、そして"豊かさ"などのコトに話が及ぶ。

江戸時代の終わり頃から、西洋の技術に圧倒されて、目の前にある豊かさが見えんようになってしまった。昔から長い時間をかけて培われてきた伝統技術が、その頃を境に、ものすごい勢いで失われていった。(中略)

今僕らが感じている豊かさを、僕らが自身がいつまでも続けていきたいし、子どもにも残していきたい。同じ豊かさを感じて暮らせる人の輪がひろがってほしい。(中略)

「内なる力」は、急には花開かないけれど、自分で自分を育てていけば、それがいつか花開くのだと思う。たゆまず、飽くことなく、自分を磨き続けていくことが、道を切り開いていく。

「田舎」は、ユルい場所でもなければ、のんびり暮らす場所でもない。もちろん都会から逃げ込むための場所でもない。「田舎」には「都会」の理不尽さはないけれど、その分、便利さもない。生活を成り立たせるための条件は、「都会」より厳しい。おカネ任せ、他人任せでは暮らしていけないのだ。

とってもやさしいく、そして、きびしいコトが書かれてます。生き方も 考えさせられちゃう本の一冊です。