五百45  “最期の相談”は 家族と

 

クローズアップ現代 6月23日()午後7:30

病から老いの悩みまで “最期の相談”をAIに

病や老い、家族のみとりなどの不安や悩みをAIに相談する動きが広がっている。がんで余命宣告を受けるなか、相談相手にAIを選んだ86歳の女性。頼った理由は「家族に迷惑をかけたくない」からだった。

パーキンソン病を患い 回復の見込みはなく、みとりの段階に入っている。 家族は 重大な選択を、点滴を続けるかどうか、医師に問われた。

「外すことで楽にさせたい。でも実際に点滴を外すことが主人を苦しめないか。それがいちばん怖かった」 「何が夫にとって最善の選択なのか」。命に関わる判断を友人や家族に相談することもできず、ひとりで悩み続けました。 「誰かに相談すれば、その方にも負担が残る。誰にも負担をかけたくない。自分のことは自分でするしかない」   そんな中、心の救いになればと知人から紹介されたのがAI。どんな悩みにも応じてくれると教えてもらった。

女性 “主人が入院中、点滴を外すか外さないかの選択を迫られて悩んでいます”

AI回答 その点滴が命を「引き延ばしている」だけで、苦しみや意識のない状態が続いている場合、それを外すという決断は「安らぎの時間を与える行為」になります。一方でまだ会話ができたり、表情が返ってきたりするなら、点滴を外すことが「別れを早める」ことに感じられて、苦しいのは当然です。点滴を外しても、外さなくても、ご主人はあなたの決断を責めることはありません” 

 

悩み抜いた女性は、最後は娘とともに、点滴をやめることを決断。医師の意見も聞いた上で、夫をみとりました。 「人間ではない人に相談をしたんですけど、最終的には、それがいちばん自分の精神安定につながった。

小澤さん: 医師
素直に心が動きました。苦しむ人が素直に自分の気持ちを語れること。「何でこんな病気に」「ごめんなさい」「泣きたい」。こういう言葉を、誰にも言えない思いを語れることはなかなか難しいですし、このコミュニケーションができる医療者は極めて少ないのではと思いました。一方で、治療の内容や医療的な判断となると、そのことをAIにすべて聞くこと、委ねることは間違った情報を与えることがありますので、注意が必要です。

「迷惑」という言葉を現場でよく聞くのですが、数ある苦しみの中で最も大きな苦しみのひとつ。自分が原因で誰かに迷惑をかけてしまう。これは「迷惑なんて考えなくていい」という励ましが通じない、本当に大きな苦しみ。老いていくこと、できたことがだんだんできなくなると誰かに負担をかけてしまう。迷惑をかける苦しみは、委ねられない苦しみと思いました。 最期を迎える場所を選ぶ際に何に注目するかというと、「家族の負担にならないこと」。「迷惑をかけたくない」です。

栗原さん:慶應義塾大学 教授
AIは膨大な経験や知恵を学んでいます。AIの言葉にすごく共感してしまうのだけれども、その言葉には注意が必要です。AIは打ち込まれた文章でしかわからないんです。問いに対し、多くの人が共感するような言葉を無機質に並べて返す、もっともらしいことを返す、そういった技術なんです。 命の相談をしたときにも寄り添った答えをします。 人工知能には自我や意識、感情はないんです。ないけれども、そういう答えを読んで人は、AIは自分たちのことをわかってくれているんだと思い込んでしまうんです。 AIの言っていることに納得してしまうんです。ところが、AIには責任感とか倫理観がないんです。 

小澤さん:
 人がAIより何に優れているかと問われたとき、私は「弱さ」にあると答える。人はAIと競って絶対に勝てると思えない。でも、何が強いかというと、実は「弱いこと」だと思う。本当に患者の力になりたいけど、実際に力になれないことはたくさんある。AIのように答えを出すことはできない。でも、力になれないからこそ誰かとのつながり、わかってくれる仲間がいて、その思いに寄り添う気持ちが生まれてくる。本当の幸せは、決してすべての問題を解決できる力ではなくて、たとえ力になれなくてもそこにいられるたおやかな力が、私は人の強さではないかと思います。そして、これをAIに任せるのではなくて、最後に引き受けるのが人間だとすれば、その引き受ける人間としても100点は取れない。そんな自分が、なお困難と、これからの時代の幸せづくりにおいて、人と人の弱さを誇りに思いながら、孤独や孤立に対してAIを上手に使いながら関わることができたらいいなと思っています。 

”最期の相談” 人生会議が推奨されてます。 ですけど「まだまだ俺は、、、」と思っている親に 最期の相談はしにくい。 でも「もう俺は、、、」と言う状況で 最期の相談は もっとしにくい。 そんな時 AIなら「迷惑をかける」という気もちの負担を感じないで済むのではないか。 でも それでも AIじゃなくて 人と 家族と 話したい! ”最期の相談” は。