四百10 I'm home!

たった2か月だったけど 季節がすっかり変わった。

往路は 北回り~北極海経由、復路は 南回り~ゴビ砂漠経由(2022年と同じ)

 

ユトレヒト 満開の桜(3/14)~ちょうど1か月~荒川土手 芝桜と散り際の桜(4/14)

 

出発前夜の雪(2/5)~2か月と数日~帰国した日の夕方の光(4/10)

 

四百09 シリアの小道で

【オリーブの丘へ続くシリアの小道で】(ふるさとを失った難民たちの日々)

ほんの1分でいいから想像してほしい、自分がこの本の登場人物の誰かであったら、と 。星野智幸氏推薦

教師ムッサムは言う。

「内戦によって子どもたちは皆、心に深い傷を負っています。ほぼ全員が目の前で家族や友人を亡くしているのです。その強烈で悲しい記憶が、子どもたちの心を今なお過去から離さずにいます。この学校では特別な心理学的なケアを行っています。彼らの心が過去にではなく、未来を考えていけるように」。

「私は教師として“希望を持ちなさい、希望があるから私たちは生きていける”と子どもたちに話さなければなりません。しかし現実は、私でさえもこの生活に希望を持てずにいます。子どもたちにとっても教師にとっても、希望を持つことが本当に難しいのです」。

「私たち大人は皆、シリアに帰りたいと願っています。しかしそれが叶うかどうかわかりません。もし私たちの代で帰れなくても、あなたたちの代でシリアに帰ってほしい。そして新しいシリアをつくり生きてほしい。しかし今、シリア全土にはおびただしい爆弾が降り注ぎ、多くの不発弾が土に眠っています。たとえ平和が訪れたとしても、そこでは不発弾の危険とともに生きなければいけません。それでもあなたたちがシリアに帰ることを願います。シリアの大地は唯一のふるさと、あなたたちのもうひとりの母親なのです」。

少しの静寂の後、少しすると少年が手をあげた。「先生、不発弾があってもシリアに帰りたい」。子どもたちが次々に手をあげ、ホールは歓声に包まれた。「帰りたい」「私も」「僕も」。その叫びは渦となって、小さな学校に高くこだました。

シリア ウクライナ ガザ アフガニスタン ミャンマー 

今 どこで どれだけのひとが 同じような つらいくるしみのなかにいるのか 思いをよせたい。

四百08 TCK

TCK】サード カルチャー キッズ 第三文化の子どもとは、発達段階でのかなりの年数を両親の属する文化圏の外、多文化の間で過ごした子どものこと。

TCK】の明らかな利点は、「広がる世界観」。さまざまな国と文化の中で育つことにより、人がいかに異なる価値観や政治的視点から人生を観察しているかを実際に目にする。人生の早い時期から、一つの物事に対し、異なった角度からの見方があることを知る。小さなことから始まって、広く多くの事象に溢れ、一生を通して発見することがたくさんあることを学んでいる。
同時にそれは「混乱する忠誠心」ともなる。政治や愛国心、価値観など複雑な問題を考える際には混乱をもたらすものとなり、母国の政策と現地の国の利益が異なる場合、どちらを支持すべきなのか混乱する。
 
何が正しくて何が間違っているのか。そもそも正邪とは存在するのか。相容れない価値観は同時代、同一の場所では存在しえず、対立する価値観を目にして、いったいどちらの価値観を選択すれば良いのだろうか。
アイデンティティー】自分で自分を理解し、他人からも理解されているという心理的要求があり、さらに人はどんな形であれ感情的、創造的、知的、意思的、精神的なその人なりのすべての側面を表現せねばならない。そうした心理的要求は個人を人として定義するもので、これら万人に共通の心理的要求の混交、表現方法によって、その人特有のアイデンティティーが現れる。
 
四百03  現実は・・・  でも日記しましたが、【サード カルチャー キッズ】子どもにとっても海外で過ごすことの大変さを改めて考えさせられました。  でも  でも  そんな環境のなかでもたくましく過ごしている子ども・人たちを垣間見ることがありました。どんな環境でも  頑張って生きる。それは  【TCK】に限ったことではない!と自身に言い聞かせます。

四百07 夏時間

3月31日午前2時を期して、夏時間に、時計の針を1時間早めました。日本との時差は7時間です。

午後8時です。 

午後6時  親子孫三代の女子  夕方散歩

1年半前の前回は、夏から冬時間への切り替え、今回は、冬から夏時間への切り替えを経験。単発的な訪問ではなかなか出来ない経験ですね。

ユトレヒトの日の出 07時11分、日の入り 20時13分(2か月前に比べて 日の出が1時間早く、日の入りが3時間も!遅くなった)

東京の日の出 05時27分、日の入り 18時04分

四百06 君たちは どう生きるか

1937年に出版され多くの人に読み継がれている歴史的名著。スタジオジブリで映画化された作品をご覧になった方も……。遅ればせながら2017年に発行された漫画を読んだ。

昭和12年は、日中戦争の発端ともなった盧溝橋事件の有った年。長い戦争に向かっていく、そんな時代に書かれた小説だが、その内容/精神性は  今に通ずるものがある。

ごく一部を転記させて頂きます。

貧乏な暮らしをしている人というものは、たいてい、自分の貧乏なことに、引け目を感じながら生きているものなんだよ。自分の着物のみすぼらしいこと、住んでいる家のむさ苦しいこと、毎日の食事の粗末なことに、ついはずかしさを感じやすいものなのだ。たとえちゃんとした自尊心をもっている人でも、貧乏な暮らしをしていれば、何かにつけて引け目を感じるというのは、免れがたい人情なんだ。だから、お互いに、そういう人々に余計なはずかしい思いをさせないように、平生、その慎みを忘れてはいけないのだ。

人間として、自尊心を傷つけられるほど厭な思いのすることはない。貧しい暮らしをしている人々は、その厭な思いを嘗めさせられることが多いのだから、傷つきやすい自尊心を心なく傷つけるようなことは、決してしてはいけない。  理屈を言えば、貧乏だからといって、何も引け目を感じなくてもいいはずだ。  人間の本当の値打ちは、その人の着物や住居や食物にあるわけじゃない。だから、自分の人間としての値打ちに本当の自信をもっている人だったら、境遇がちっとやそっとどうなっても、ちゃんと落ち着いて生きていられるはずなんだ。

僕たちも、たとえ貧しくともそのために自分をつまらない人間と考えたりしないように、   また、たとえ豊かな暮らしをしたからといってそれで自分を何か偉いもののように考えたりしないように、いつでも、自分の人間としての値打ちにしっかりと目をつけて生きてゆかなければいけない。

僕の関心ごとである「〇〇〇のひと」との接し方の心得と読み替えながら読んでいた。

四百04 マルトリートメント

虐待とほぼ同義語、子どものこころとからだの健全な成長と発達を阻む養育の全て含む呼称。子どもに対する大人の不適切な関わりの全般を意味し、大人の側に加害の意図が無いとしても、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それは「マルトリートメント(不適切な養育)」。 

生まれたときはわずか300㌘の脳、ゆっくりと成長し、時間をかけて生きる術を習得する。その発達過程において脳は外部からの影響を受ける。人生の初期段階、親や養育者など身近な存在から適切なケアと愛情を受けることが、脳の健全な発達には不可欠。

一方、この時期に極度のストレスを感じると、子どものデリケートな脳は その苦しみに適応しようと自ら変形してしまう。生き延びるための防衛反応を起こす。結果 脳の機能に影響が及び 正常な発達が損なわれ 生涯にわたリ影響を及ぼすことになる。

子どもとのコミュニケーションで避けたいこと。①命令や指示:子どもに対する提案が往々にして、子どもが従うことを期待しての声がけになり、それに従わないと気分を害し気づかぬ圧力になる。 ②不必要な質問:不必要な質問は、子どもの行動を中断させ集中を切らす。詰問調の質問も子どもの考えに反対しているニュアンスを与える。 ③禁止や否定的な表現:「~はやめて」「~はだめ」「~しないで」などの否定や禁止の言葉で問題が改善することはなく、かえって子どもの否定的な行動を増やすことになる。 

時には子どもを叱らないといけないこともあるが、感情にまかせて叱るのではなく「叱るのは60秒以内」と心することが大事。

と、まあ ゙そういうことが ゙書かれている。 そうしなければと思っていても、毎日毎日同じことを繰り返えされると  イラッとしちゃう。 9回ガマンして10回目に大きな声を出しちゃうと9回のガマンが台無しに。叱られた側は、その叱られた1回が全てになっちゃう。 (uuu~~~ なんか 認知症介護に通ずるものを感じる)。

こっちの人たちは、  世間体をおもんばかって叱る゙行為゙を意識することはしない! そうだ。 周りを気にせず 叱らなくてもいいことは 叱らなくても済むので こっちの方が 気持ちが   楽   だ! そうだ。